:::藤沢市議会議員 柳田ひでのり:::藤沢市議会議員柳田秀憲のブログです。

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各派交渉会
市議会の新年度は5月臨時会からだ。
その臨時会は、今年度一年の議会人事を決めるのが主な仕事だ。
「各議員がどの常任委員会に入るか」「その委員会の委員長は誰が務めるか」
ということを、議長が指名して諮り、承認されれば決定、という段取りだ。

とはいえ、一日開催の臨時会で全36人の議員の所属委員会を決めることは実際は不可能なので、
本会議で議長指名がすんなり出来るよう各派交渉会を設置
して、そこの場で各議員の所属やポストをあらかじめ決めておく、というのが慣わしだ。
今年は5月12日(水)〜14日(金)の3日間の日程となっていた。

今年度は議長・副議長など大きな人事決定はないので、比較的簡単に事が運ぶ、と思ったらそうはいかなかった。

市議会は建設・民生・文教・総務の4常任委員会を設置し、それぞれの委員会で都市計画、保健医療福祉、教育、総務企画といった個別分野ごとに審議を行い、最終意思決定は本会議で決める、という流れとなっている。

で、今年は建設・総務委に議員の希望が集中し、議員同士で譲り合いの精神が発揮されるかというと全くその気配はなく、交渉は暗礁に乗り上げている。

例年、民生委と総務委に希望が多く、はっきり言って藤沢市議会では建設委は不人気な委員会といってよいのだが、一転今年度は大人気となっている。
その理由は明らかで「善行土地問題」を審議する委員会になっているからだ。

以前も述べたが、現在、市議会は与党20・野党16、計36名という構図。
ちなみに、市議会での「与野党」というのは不適切・不正確だが、わかり易くするために便宜的に使わせていただく。
で、常任委員会は4つ、各委員会は定数が9名
つまり、常任委員会は与党5・野党4ということになる。
普通に考えれば、4常任委員会すべて与党が過半数を握る。

だが、私たち野党会派は土地問題審議の主導権を握るため、建設委で過半数をめざし、野党系で5名を建設委に配置したいと要求。
当然ながら与党はそれを阻止するわけで、互いに譲らず交渉会が空転、3日間の会期で決着がつかなかった。


交渉会最終日の23時を回り、シビレを切らした?与党及び交渉会座長は座長案を提示し私たちに座長案の受け入れを迫ったが、焦点の総務委から野党議員1名を露骨に排除し、建設委の希望も一顧だにしないものだったから、私たちは座長案を拒否
すると、これ以上やっても平行線だから座長と与党は多数決で決めるしかないと主張し、一旦は採決で決めることになった。
それに対して私たち野党は猛反発、「採決したければしろ」と交渉テーブルを蹴った

結局議長が仲裁に入り採決は撤回、もう一日交渉会を延長することになったわけだが、与党側の大失態と言わざるを得ない。
各派交渉会なのだから、交渉がまとまらなかったら決裂、あとは議長指名しかない、というのが筋であり、「交渉」を採決をするなんていうのは愚の骨頂だ。

法の上では「何某議員が何々委員会に所属」というのは本会議で諮って議長が指名することになっているのだから、交渉決裂なら議長が決めるしかない。
交渉会なんてものは、あくまでも藤沢市議会に任意で設置された便宜的な機関に過ぎないのだ。

各委員の所属に関しては、議長が権限を持っている。
とはいえ、議長は会議に諮る、となっているわけで、他の議員に対して「お前は何々委員会に行け」なんて指図は実際にはしないし、議長指名は本会議で過半数が認めれば決定するが、議長指名の採決なんておいそれとは出来ないだろう。

だからこそ、議長は「もっと話合うように」と交渉会を続けるよう座長に指示したわけだ。
公平な議会運営を心がける議長としては当然の判断だろう。与党議員は自ら議長を戴いているにもかかわらず、議長の立場・心情を慮ることはなかった、ということになろう。

ともあれ、交渉会は先行き不透明な情勢だ。
ジリジリする展開だが、これこそ議会らしい、のだろうな。
| 22:10 | 議会(その他) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
議会基本条例その5 〜そもそもの目的は?〜
数回にわたって論点を示させて頂いた。
議会の改善点は枚挙に暇がないだろうが、一番大切なのは「そもそも論」だ。一部で
「議会不要論」
が唱えられており、
「議会はチェック機能を果たしておらず、一部の声の大きい市民の代弁者に過ぎない」
と指摘されている。オール与党体制では上記のような議員活動となっても無理もない。かくして、議員の仕事は「予算の分捕り」合戦、となる。
繰り返しになるが、市長与党を完全否定するものではないものの、市長を支えるのが与党議員の職務だというあまり、まるで市の内閣の一員のように振る舞う議員を見ると「議会不要論もむべなるかな」と思う。

〜論点5.どんな議会をめざすのか〜

透明・公正、開かれた議会、議員の自立

1.説明責任
 崟策への考え方」「議案への賛否」についての説明責任
 →議会報へ各議員の議案賛否を掲載

∪治資金・政務調査費など、議員活動についての説明責任
 
2.透明・公正な運営、市民の声の反映
 \萠磧申し合わせを可能な限り規則化し法的根拠に基づく議会運営をおこなう

 ▲ぅ鵐拭璽優奪斑羞僂両鑁ぐ儖会・特別委員会への拡大

 L鮨α出過程の透明化と適正化
  ・正副議長、監査委員を立候補制とし、所信表明演説を行った後に投票選挙する
  →議長については、公正な議事運営のため会派に所属しないこととする

  ・監査委員4名のうち、議会選出2名、識見者が2名という構成。
   これを、
  →議選1名、識見3名
   に変更。

議員に弁護士・会計士のような専門性がないのは明らか。
識見委員より議員が勝っている部分があるとしたら、長年藤沢市政に関わってきて、市業務や政策の経緯や市民要望の実体を知っている、ということだろうが、議選委員はそうした視点で選出されておらず、与党会派に割り当てられるポストに過ぎなくなっているのが藤沢市議会の実体だ。

いっそ、議会選出を廃止したらどうかと思うが、自治法で
「監査委員4名のうち、議会選出は2名以内を置くこと」
と定められているので無理。

ならば、議会選出2名「以内」なので1名とし、識見枠が1名増えた分、弁護士に入ってもらったらどうか。
今、藤沢市監査委員のうち識見委員2名はいずれも公認会計士だ。そこに、法制度に精通している委員が増えることで、監査機能の充実が期待できる。

議会に与えられたポストをむざむざ手放すのは抵抗が大きいだろうが、だからこその議会改革だと思うのだが。

 さ腸颯皀縫拭疾度の創出
  ・議会について、不断の見直しをおこなうためには第三者の意見が大切

 サ腸駟麒埆鍵儖会を「(仮)広報広聴委員会」にあらためる
 1.議会広報の一元化
  ・議会報や議会HPなど、議会広報全般に議員自ら関わる
 2.議会自ら広聴にも取り組む
  ・市民アンケート、議会主催の公聴会など市民広聴を所管する委員会を創出する

3.自立した議員
  会派中心から議員中心の議会運営へ
 \務調査費を議員個人へ支給
 ⇒住三儖会→全議員の1/2
  決算委員会→全議員の1/2
  (各会派の小数点や一人会派も含む)
このことにより、一年の間に必ずどちらかの委員となり、4年任期のうちに2回ずつ経験することになるので、各議員の任務の平準化が期待できる。
また、
 5腸餘娠聴儖会、(仮)広報広聴委員会など、議会そのものに関わる取り組みについては、全議員が任期4年の間に必ず一度は経験するようにローテンションを組む。

これにより、議員36名全員が議会のあり方や重要審議に関わることになる。
その結果、議会審議のあり方・議会そのもののあり方について、議員全員がこれまで以上に意識することになり、議会の活性化が進むと思う。
(論点整理については、とりあえず以上)
| 15:45 | 議会(その他) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
議会基本条例その4  〜具体的取組の検討〜
条例の具体的な中身や制定過程のあり方については、各市の動向や執行機関側の取組み状況の調査も大切で、必要とあらば先進自治体議会から講師を招いたり、執行機関の担当者に説明をしてもらうのも一法だ。
市民広聴については、なんと言っても執行機関はいつもやっているのだからノウハウを持っている。市職員に教えを請えばよいと思う。

議会基本条例というよりも「議会改革」の取り組みの中で、いわば目玉が「議会報告会」だろう。
先進自治体で取り入れられており、効果を上げているようで、私も必要性は否定しないが、色々な意味で藤沢市議会はその段階にはない、と思う。
以下、理由を述べたい。

1.党派の問題
政治はこれが避けられない。
例えば、自民党議員8人、公明党6人、民主党と共産党が3人。
無所属議員は政党との結びつきに濃淡はあろうが、はっきり政党色を出している議員は藤沢では上記のような構成だ。
私としては、まず藤沢民主党としての市議会報告会等の取り組みが必要だと思っているが、実現出来ていない。
そんな状況で、他党の皆さんと一緒に報告会をするのはずっと後回し、というのが本音だ。

2.そもそも市民に求められているのだろうか?
私は議員になって7年になるが、いわゆる報告会をやったのは一度だけ。それも、前回の選挙に向けて、という中で。
そんなわけで、やりたくない訳ではないのだが、その一度の報告会があまりにもつまらなかったのか、支持者からは「報告会をやって欲しい」という声は聞かない。
有り難いことに
「今年は地引き網やらないの?」
という事は言われるが(苦笑)。

自分の報告会のつまらなさを棚に上げて言わせて頂くが、皆さん忙しい中、一体どれほどの人が時間を割いて報告会を聞きに来てくれるのだろう?と素朴な疑問がある。
議会で見る限り、各議員の質疑やプレゼンは巧拙がハッキリ言ってあり、人によっては議員報告会は面白いのかもしれないので何とも言えないが。

ともあれ、報告会よりも議会での審議の透明化や、ネット中継の拡充議会報の編集の見直し等々、議会内部で改善すべきことを優先する方が現実的だし必要だと思う。
それでも「議会報告会をやる」というのならば、議長と副議長、各常任委員会の正副委員長がまずおこなってみればよいのではないだろうか?

〜提言1.隗より始めよ 報告会は議会運営の責任者がまず行う〜
正副議長と活性化検討会の座長みずから率先して報告会を行えばよい、と思う。その際には私も聴衆として参加したいと思う。

〜提言2.議会広報の拡充と根拠に基づく議会運営〜

・ネット中継を常任委員会でもおこなう
・議会報に議案に対する各議員の賛否を掲載
・先例や申し合わせによる議会運営から、規則による議会運営へ

〜提言3.議決事項の拡大〜

市行政計画のうち、策定を自治法で義務づけられているのは
総合計画(基本構想)
都市マスタープラン(同上)
で、議決事項となっている。
しかし、今後の自治法改正の際、市町村に総合計画策定の義務付けが廃止される可能性があり、そうなると当然ながら法的に議決事項ではなくなる。

市が「任意」に総合計画を策定した際、議決の法的担保を失うことになるので、議会基本条例で、例えば「市の重要な計画は議決を要する」みたいな文言を入れることを考えておかなくてはならない。

この他に「環境基本計画」なども「重要な計画」に含まれるかもしれない。こうした行政計画の基本構想を「議決事項」とする、のも検討してもよい。
もちろん、その際には議会の議論の質を高めることは言うまでもないが。

さらに言えば、今回の善行問題を鑑みるに、財産取得の議決要件の緩和(契約金額も同様)も必要ではないか。
今は土地取得の場合は
「2000万円以上かつ5000岼幣紊療效蓮
に議決が必要、となっているが、これは昭和40年代の話であり、このような大規模な土地の取引は今は殆どないだろう。また、当時なら2千万円は大金だったかもしれないが、いずれにせよこうした議決を要する事項についても今一度考え直す必要があろう(続く)。
| 16:31 | 議会(その他) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
議会基本条例その3 〜今年度中の制定をめざす〜
活性化検討会として「今年度中に条例を制定する」という目標がある。
対して「そんなに短い期間で十分検討できるのか」という懸念が一部にあり、また「市民から見た議会のあり方が重要なのだから議会基本条例策定に市民の声を反映させる仕組みが必要では?」という意見もある。
いずれも「ごもっとも」であろう。

〜論点2 短期間で検討してよいのか?〜

に対しては
「1年以上かけて議論を行っており、第一人者を招いて勉強会をしたし、先進市の視察まで行っているではないか?」
と私は思う。
各議員の理解は深まっているだろう。先進事例も多数あり、中身の濃い議論は十分可能だ。

〜論点4 市民参加の条例づくり〜

「自治基本条例」のように、「多くの市民を集めて、策定委員が理解を深めながら議論を積み上げていく」という手法が考えられるが、スケジュール的に間に合わないと思う。
本質は「議会基本条例ができて、その結果どういう議会になったか」ということだ。
それに「市民に対して権利を認め義務を課す」という条例ではないので、制定過程に市民が参画していたか否かが条例の正統性として問われるものではないだろう。

とはいえ、まず「今の市議会が市民からどのように見られているか」、議会として認識することが条例づくりには欠かせないので、市民に対してアンケートをおこなったり直接意見を聞く場所も必要だろう。

〜結論:今年度中の制定をめざす〜

策定時の市民参加はおこなわず、まずは
・現状の市議会について、市民はどう見ているのか知るための広聴をおこなう
その手法として

1.市民アンケート調査
2.議会モニター制度の創設
3.自治基本条例
  総合計画  
  などの策定に関わった市民委員を参考人として招く


を提案したい。
もっとも、市民から頂いた意見を踏まえて条例づくりに着手するのではなく、制定に向け活性化検討会で議論を進め、頂いた意見をもとに必要に応じて修正をしていく、という進め方でよいと思う。
| 11:11 | 議会(その他) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
議会基本条例その2 〜執行機関と議会の役割の違い〜
前回、議会基本条例について概観したが、先日の研修会で藤間局長から論点を5つに整理していただいたので紹介したいと思う。

現在、藤沢市議会では
「議会活性化検討会」
を立ち上げ、議会改革について議論をしており、本会議の一般質問の際に「一問一答」方式の導入などの成果が出ているわけだが、私は委員として一年弱関わった限り、
「改革とは遠い」
という印象だ。

市議会全体が共通の目標で改革に取り組んでいる、というよりも、議員各位は意見の相違があり、また予算上も限界がある中で
「当たり障りのない」「改善」
止まりになっていると感じる。

〜論点1.執行機関と議会の役割〜

前回も書いたが、地方分権の今、市長を中心に執行機関側は地方自治の担い手たるべく様々な手法を打ち出してきている。
藤沢市でいえば「地域経営会議」もその一つだろう。私は同会議に対してはかなり批判的だが、そうした市民参加の機関を設置すること自体には異論はない。
また、「我がまちらしさ」といった抽象的な事を市政に反映するべく「自治基本条例」を制定している自治体も増えているが、いずれにせよ執行機関側の動きなのだ。

で、市行政と市民とでこうした動きを進める際、議会はどうするのか?
「行政とともにつくる」
というのも一つだろう。
従来の手法だと、こうした執行機関側の動きに議員も「議会選出」という形で参画していく、ことになる。総合計画などは、市議会の交渉会派から代表議員を出して、市民選出委員と共に計画策定に関わっている。
しかし、私はこれには反対だ。

議会はあくまでも市(長)と対峙する立場だと私は思う。
むろん、いたずらに対立すればよい訳ではないが二元代表制、チェック&バランスの原則に立ち、行政側のつくった枠組みに参画することは避けるべきだと思う。

総合計画について、現行法では基本構想は「議決」が必要となっている以上、合理的・妥当な計画となっているかどうか、精査する責務がある。
だが、策定「結果」を精査する者が途中作業に参画しているのでは、出来上がった結果に対して物が言えなくなる可能性が高い。

なので、私は総合計画(案)などの策定作業は、市と市民との共同作業を見守るというのが議会の立場だと考え、審議会から議会は全部引き上げるべきだと思う。
これを担保するために、議会基本条例制定の際には市執行機関と議会との権能・役割の違いを明記した条文が必要だ。

こんなことは憲法・自治法に謳われていることであり、今更、と思うが、一部会派は明確に
「市長与党」
を謳っており、また、改革を標榜する首長などを抱える自治体議会でも
「市長派」「知事派」
などを選挙の争点にして活動する例が見られる。

しかし、くどいようだが地方政治は「二元代表制」なのだ。
議員として、市長に与するのか否かということを明確にして政治活動すること自体、有権者に対して誠実な態度であり、与党市議の存在を批判するつもりは毛頭ない。市長を支える市議がいて当然だが、議会の権能を損なうほど市側ベッタリになるのは議員として自殺行為以外の何者でもない。

とことん市長について行きます
っていうのならば、議員をやめて
市長後援会・支援団体から報酬を貰うか、政策アドバイザーみたいな形で市役所に雇用してもらうのが筋だ。

〜結論:執行機関とは一定の距離を置く〜

1.二元代表制の中での議会の役割の明記

具体例として、総合計画策定や市設置の審議会などからは全面撤退、だ。
もっとも、策定委員・審議会委員と同様の情報・資料の議会提供は担保されるべきで、明文化も必要だ。
そして、
2.議会独自の市民広聴のしくみをつくる

例えば、総合計画など、重要案件については「議決の責任」から議会独自で調査・研究するために、識者や計画策定委員を参考人として議会に召致するなど、広聴機能を持つことが必要。
市側は審議会などの付属機関を持ち、またアンケートを実施したりと識者や市民からの広聴システムが整っているが、議会にはそうした機能はない。
議会での参考人召致も、現時点では政策評価・立案のためにするのではなく、疑惑の解明のためになっている。

各議員は、それぞれの支持者や地域の声を聞いているのだろうが、議員個人と「議会」という機関では権能が段違いだ。つまり、信用がまるで違う。
議員にはどうしても選挙がつきまとう。市民アンケートを実施しようとしても、選挙に利用されるのでは?という疑念を持たれがちだ。しかし「議会」としてならば政治利用の色は薄らぎ、公平な立場だと、市民の理解を得やすいのではないだろうか?

議員個々では前進しない取組みも、機関としての議会ならばより多くの協力が得られる可能性が高く、その結果、議会全体として市民の声を今以上に反映するようになると思う(続く)。
| 16:43 | 議会(その他) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
議会基本条例
4月14日、法政大学廣瀬克哉教授をお招きし
「議会基本条例」
についての勉強会が開催された。
正確には、
「藤沢市議会議員研修会」
の第1部
「議会改革の課題と議会基本条例の意義」
という講演会である。

廣瀬教授は、各地でのとり組みに造詣が深いのは当然として、自身がお住まいの所沢市の議会条例づくりにも参画するなど、この分野の中心的な研究者である。
大変お忙しい中お越し頂き、貴重なお話を伺うことができたのは幸運である。この場で御礼をさせていただきたい。

さて、この議会基本条例だが、一般の方にはなじみがないと思う。しかし私たち地方議員にとっては、まさに議会の存在を問い質すかのような非常に重要なものであり、わが藤沢市議会においても制定が真剣に議論されているのだ。

ということで、少々説明させていただきたい。

地方制度調査会(略称:地制調)という、国の審議会がある。
戦後、現行憲法が制定され、地方自治が国の制度の根幹に位置づけられたことをうけ、1952年に第一次地方制度調査会が設置されて以降、現在は第29次地制調となっており、地方制度のあり方について、財界代表や前鳥取県自治の片山慶大教授など、錚錚たるメンバーが議論し政府に答申する、というものだ。
国の地方分権政策に多大な影響を及ぼすもので、地方自治関係者は地制調の動向を注視しているのだ。

で、この第29次地制調の答申が昨年6月に出されているのだが、この中で地方議会についても触れられている。
廣瀬教授の講演とあわせ、地方議会の状況を概観したい。

〜議会は住民から評価されていない〜
議会は市民の代表だ、と認められているだろうか?
「あなたは、市議会に市民の声が反映されていると思いますか?」
これは、多摩市議会がおこなった市民アンケートの問いで、回答は

反映されている … 0.8%    
ある程度反映  …31.6%
反映されていない…30.4%
わからない   …35.9%


であった。(廣瀬教授講演レジュメより)
地制調の答申にも、
「議会は、多様な民意を反映しつつ、団体意思の決定を行う機能と、執行機関の監視を行う機能を担っているが、十分にその役割を果たしていないのではないかなどの指摘がなお見られるところである」
と指摘されているとおり、上記のアンケート結果は藤沢市においても大差ないのではないだろうか?
だが、
「(略)地方公共団体の責任領域が拡大するものと考えられ、議会機能のさらなる充実・強化が求められている」
とある。
国は地方分権を進め、それに応じて各自治体も分権時代に相応しい地方自治の担い手になるべく体制強化を図っている。市町村合併も一つの方策だ。
国や執行機関側のとり組みが進んでいる中で、地方議会だけが旧態依然としており分権時代から取り残されている、のかもしれない。
廣瀬教授もこの事を憂慮しておられた。
「(改革に取り組まない)議会は最後の抵抗勢力、と見られてしまいますよ」

議会の役割とは、法的には自治体の意思決定機関であり、執行機関(首長)の監視役である。
市長と議会はそれぞれ別の選挙で住民代表として選ばれている。「二元代表制」、チェック&バランスの関係だ。
監視と同時に自治体の権力を市長と議会で分け合う、「分権」することにより一方の暴走が抑止されている、ということだ。
法制度上はそうなる。
いずれにせよ議会は「市民のため・市のため」に存在しているのは自明なのだが、上記の理由で役に立たない議会でも無いよりはマシ、いや存在するだけでも意味がある、と私は思う。
ただし、その場合は「無給」かそれに近い場合に言えることだろう。

私は年間で約950万円の議員報酬を得ている。
年4回の定例会の会期合計は100日ほどで、それ以外にも多少公務はあるがフルタイムで働いているとは言い難い状況なのは確かだ。

その割には高給だ、と言われてしまうかもしれない。
私としては自分の報酬に対しては「ありがとうございます」しかないが、あえて言えば高給取りという実感はなく、政治活動資金・選挙資金の捻出に四苦八苦しており、贅沢とはほど遠い生活だ。
報酬自体は高額にも見えるが、議員年金と国保、国民年金を合わせると200万円ほどの社会保障費を負担している。国保と国民年金は雇用者負担分が無い(議員年金は市も補助しているが)のでサラリーマンの同年収の方よりも手取り収入は少なくなる。

それでも高いのかもしれない。また、年額128万7千円の政務調査費も頂いており、はっきり言って助かっている。で、これも高い、という批判がある…。

報酬・政務調査費が高い、という批判に対して反論はない。さりとて他に仕事を持つことが困難なのも確かだ。
どうしても議員専業という事になってしまうので、現状の報酬はありがたく、それを前提に生計を立てている身としては「議員報酬削減は痛いな」というのが本音だ。
いずれは今の水準の報酬も維持出来なくなる日がくるかもしれないが、カネのために政治家をやっているわけではない、といってしまえばそれまでだ。
「武士は食わねど高楊枝」だ(苦笑)。

何だか愚痴っぽくなってしまったが、ようは議会は機能していない、議員は働いていない、その割には報酬が高い、という批判があるわけだ。
一方で、地方分権は進み、自治体(首長)の権限も拡大していく。
過激な言動で注目を集める首長が見られる
が、暴走している、と言わなければ、チェック&バランスという二元代表制そのものに挑戦している、ような言動が繰り返されている。
今こそ地方議会の存在意義が問われているのだ。

報酬が高いという批判には、今の私には「そう言われないように頑張ります」としか言いようがないが、議会・議員はいらない、っていう意見に対しては
「首長の暴走を止めるのは誰か?」
「執行機関を監視するのは誰か?」

と言いたい。
もちろん、住民は(ハードルは低くないものの)直接請求で首長・議会(議員)のリコール、監査請求や訴訟もできる。確かに議会だけではないが、
議会がダメなら結局は市もダメになる、と思って私は市議をやっているつもりだ。

というわけで、大変長くなったが、こうした背景から、住民に信頼される議会をめざし各地方議会が議会改革にとりくみ、その象徴的な存在
「議会基本条例」
なのだ。

各地で条例制定の動きが見られるが、パイオニアは北海道の栗山町で、議員個人ではなく党派を超えて「機関としての議会」という立場で、住民向けに説明会などを積極的に行っている。
また、議会は「討論の広場」であるとして、討議のプロセスを重視し議会内で闊達な議論が行われるよう自らに課す一方で、行政側には議員の質問にたいして
「反問」することも認め、また行政が政策提案する際には、その善し悪しを議会が議決する責任上、積極的な情報提供を求めている。具体的には

1.政策等の発生源
2.検討した他の政策案等の内容
3.他の自治体の類似する政策との比較検討
4.総合計画における根拠又は位置づけ
5.関係法令条例等
6.政策等の実施に関わる財源措置
7.将来にわたる政策等のコスト計算


という
「政策情報7項目」
を示すことを条例で定めたのだ。
議決の責任が議会にはある、ならば判断できるような材料をしっかりと示すべき…。
確かにその通りだ。

これらの活動が実り、栗山町議会は住民の信頼を勝ち取っているようだ。
そして、議会が住民と関係を深めていく中で住民の自治意識も著しく向上しているというエピソードも紹介された。

「行政と議会で、ある案件についての見解が対立した」
「町民は行政・議会双方の説明を受けた」

この事態を見て、
「町民は混乱しないのか?」
と問いかけたところ、ある町民(行政経験も議員経験もない、ましてや大学教授でもない(笑)、一般の方)が
「二元代表制とはそもそもそういうものだ。双方の意見を比較検討することにより町民はより理解が深まるのだ」
と答えたという。
廣瀬教授は感嘆したとのことだった。
栗山町は、まさに民度が高まっている。結果、行政も引き締まり、良い町につながることになる。

このような話を廣瀬教授はご講義くださった(と思う)。
大変長くなったが、以上が議会基本条例を取り巻く状況だ。

「議会改革」というと議員の生き残りのためにやっている、という印象も正直ある。
しかし、そんなことをやっていると住民に見透かされるのは明らかだ。

なぜ、議会改革を行うのか?
それは当然ながら
議会の機能を向上させるため。
地方分権時代に資する議会となることが、
市民の信頼獲得
につながる。そうなれば、
執行機関側も議会を軽視できなくなる。
行政は引き締まり、
政策の精度は上がる。

議会改革は市民の福祉向上・市の発展につながっていくはずだ。

今後、藤沢市議会も「議会基本条例」制定に向けて走り出すことになるだろう。
その際には、議会事務局には多大なサポートをお願いすることになる。
地制調の答申では議会事務局機能の向上なども指摘されているが、本市の議会事務局は県内で最も少ない人数(議員定数あたり)と言われる中にあって、私はよく助けられている。

研修会の第2部では、藤間議会事務局長から、実際の議会基本条例づくりの講義が行われ、事務局による叩き台とその解説を受けた。
いくつかの論点が示され、今後の議論が非常にスムーズになるだろう。
局長はじめ事務局のご労苦に感謝申し上げたい。
事務局素案についての私の見解は、まとめ次第当ブログでご報告したいと思う(この項つづく)。
| 01:08 | 議会(その他) | comments(2) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
藤沢民主党 結成
年度当初にあたり、私と三野由美子議員とで新会派
藤沢民主党
を結成した。
議会運営などで交渉権を持たない二人会派だが、私が代表者になった。

私は初当選以来、高橋八一議員伊藤喜文議員行動を共にしてきた。
そして、古橋元市議と代わった竹村雅夫議員と私の4人の団結は不変だと思っていた。
一方で、かわせみ会の私と、さつき会の三野・井上議員と民主党所属議員が別々の会派に所属しており、この分裂状態の解消が大きな課題だった。

そんな中、昨年の12月定例会で三野議員はさつき会の意向に反して100条委設置の提案議員となり、会派を離団することになった。
市議会は100条委を巡り真っ二つに分かれた訳だが、善行土地問題への評価がそのまま海老根市政への評価に直結することになり、先の2月定例会で予算案反対の議員が半数近くまで達する事態となっている。

そこで、来年の市議選で私と三野市議は民主党公認で出馬することが決定したのを機会に、旗幟鮮明にするために会派を組むことを決意した次第だ。
初当選以来行動をともにしてきた先輩方と別会派になるのは、まさに断腸の思いだが、民主党議員の結束が第一と考えた結果である。

とはいえ、ケンカ別れしたわけではないし、二人会派の限界もある。100条委・予算案などの重要案件では、かわせみ会を始め他会派とも連携し、市長と対峙していきたいと思う。
| 21:04 | 議会(その他) | comments(2) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
善行土地問題その7 監査委員が「不当性あり」
昨日、住民監査請求の監査結果が公表された。
結果は、4人の監査委員の意見が一致せず、決定を見なかった。
しかし、監査委員の中から「不当性がある」との判断が出ているので紹介したい。

本件は、元市議の原田タケル氏が市監査委員会に対して善行の土地取得は不当とし、差し止めを求めたものだ。

4人の監査委員は、識見を持つ者2名と議会選出2名。
代表監査委員と非常勤の監査委員2名が公認会計士で、いわば「本職」だ。
対して、議会選出の2名は、与党系会派の3期生(佐賀委員、松下委員)となる。
この4人の意見が割れた格好だ。

4人それぞれの賛否などは公表されないが、新聞報道によれば、2対2。
だれが「不当性はない」と判断し、だれが「不当性あり」と判断したのか?


今回公表された意見書を見て推察すると、
「識見」委員が不当の判断をし、議員の2名が「却下」した、のは間違い無いだろう。
自民・公明の二人は、市長与党なので却下したのは予想通りだが、公認会計士の本職が不当と判断した意義は極めて大きい。

「不当」と判断した根拠として、監査公表を引用するが、私が一部省略、または表現等を丸めて記載させていただいたことをお断りしておく。
なお、最重要部分は原文そのまま引用する。

〜監査公表ここから〜

1.取得依頼の必要性について

・地元要望は「市民農園」で、「コミュニティ施設」ではない。
市民農園を農水課が断ってから、市民自治部に担当を移しコミュニティ施設と周辺樹林地との一体整備をすると方針を変更した。わずか4日間と短い期間で方針転換され、その報告文書も無い。
そして、公簿売買から実測売買に変更された際、測量図は相手方のものを使っている。
上記から、本件土地を精査したとは思えない。

・この土地は、善行地区の中心とはいうものの、地区内の住民の多くは小田急線の反対側に住んでおり、当該土地は高台で徒歩では急な階段、道が狭く車でも行きづらい。
高齢者を含めて、善行地区の住民にとって最適な場所かどうか、他の土地と比較検討するのが当たり前だと思うが、その形跡はない。
また、具体的計画がなく、どうして事業用地として適正面積か否か判断したのかも不明。
上記から、公社に取得を依頼するまで手順を踏んだと思えない。

2.取得依頼の妥当性について

(市側の積算根拠は、非公開情報により黒塗り)

・不動産鑑定評価について
判例においては、当初自治体側でおこなった不動産鑑定評価額が、裁判所が出した金額を大きく上回っている例が見受けられるので検証する。

事業を担当する市民自治推進課は、当該土地が「生産緑地」に囲まれていることを承知していたが、鑑定書は生産緑地規制が無いものとした評価になっている。

(ここから原文そのまま)
生産緑地に囲まれた市街化農地については、一般的に、生産緑地規制があることを条件として土地を評価する場合においては、建物を建てられる宅地の評価とはならず、無道路地の格差率(評価減の要素)が大きくなると複数の不動産鑑定士から聞いている。
仮に資材置き場としてしか使用できない土地等としての評価であれば、今回の接道しない宅地の更地としての評価額を大きく下回ることが予測される。

以上のことから、価格の妥当性においても、合理性があったと認めることはできない。

(以下略)
以上のとおり、本件土地の先行取得の依頼は、不当性があるものと判断する。よって、請求人の主張には理由があるものと判断する。(監査公表からの引用は以上)

原田氏の主張が、相当部分受け入れられている。
裁判でいえば
「勝訴」
だろう。

本職の監査委員が「不当」としたことで、市側はいよいよ追い詰められてきた。
| 17:16 | 議会(その他) | comments(1) | trackbacks(1) | posted by 柳田ひでのり |
善行土地問題その3 価格は妥当か?
土地取得そのものの経緯に関して、まだまだ言及したいことはある。まず、金額以前に件の土地を取得する必要性からして疑わしいのだが、今回はもう一つの論点である「取得価格」について見てみたい。

当該地は善行駅から約500メートルほどしか離れておらず、住宅地として比較的条件はよいだろう。
しかし、道路に接していないのが問題だ。

あの土地は無道路地なのだ。

住宅用地として、道路に接していないのは致命的である。
言うまでもないが、無道路地では家は建てられない。
ということは、普通に買う人はおらず価値が無い土地、とされても仕方が無いのだ。

しかし、今回はその土地が1億0850万円で売れた。買ったのは市、というか市土地開発公社だ。
1700屬△泙蝓μ鵤毅娃按擇發療效呂箸呂い─¬菊始地に1億円は破格ではないか?。
事実、当該地の抵当権は3300万円で設定されていたが、この土地以外に地主氏(以下A氏)が所有している他の物件も共同担保を設定されている。
このことから、(無道路地の)当該地だけでは3300万円の担保価値に満たないと金融機関に見なされた、という見方ができる。
そして、読売新聞報道によれば、A氏が2003年に購入した当時の価格は3000万円だったそうだが、いずれにせよ1億0850万円とは随分開きがある。

さらに、市農水課の報告書に、現地を見た不動産鑑定士の話として
「(無道路地で)民間では絶対に売れない土地
との記述もある。普通には売れない土地だとの認識は、市も十分持っていたはずだ。

それが、何故1億円なのか?

市側資料によると、鑑定士が08年7月に現地視察をした際に
「民間では売れない」
と言いながら
「市が買うなら63000円屐廖陛效鰐明傳隠沓沓鍬屐
すなわち約1億1千万円余と一度見ただけで概算している。
これは、一体全体どういうことなのだろうか???

ちなみに、この土地の固定資産評価は「8700万円」余となっている。
5年前に取引された際には3000万円であり、担保評価は他の物件を併せても3300万円。
私は、高く見ても3000万円前後が妥当だと考えていたのだが、固定資産評価を見て正直驚いた。
「意外に高いな…」。
しかし、実際には当該土地は「農地」なので、宅地評価の課税ではなく農地課税となり、その場合は1/3の評価となり、課税ベースは2900万円に下がる。すると、
当時の売買価格の「3000万円」に近くなる。

市が誰かの土地を買う際には、固定資産税の評価額の金額を示すのが筋だ。
固定資産税の評価額は市場での評価と一致するものではないが、市はその評価額から税額を算定し徴税しているのだから、仮に市場の評価よりも高い値段で買うことになったとしても、それまで課していた税額を否定するわけにはいかないだろう、と考えるからだ。

その意味で、今回の土地を買う際には約8700万円の1/3、すなわち3000万円程度ならば理解できる。

それに、今回の話は市側から「売って欲しい」と申し入れた訳ではなくて、「買って欲しい」と地権者が働きかけてきたのだから、少々高くても必要な事業を進めるためだから買おうか、という話にはならないはずなのだ。

にも関わらず、なぜ、1億円もの値をつけたのか???

普通、自分の土地を「いくらでもいいいから買って欲しい」と考える人はいないだろう。
「○○○○万円で売りたい」
と、売却希望価格があるはずだ。つまり、

売り主の希望価格が「1億円」だったのではないのか?

との疑念が生ずる。
そのこころは?

実は、昨年11月、私が現地を視察した際、隣接地の所有者(以下B氏)と話をする機会を得た。B氏は

「A氏が私にあの土地を買ってくれって言ってきたが、Aが買った値段の3倍の額をふっかけてきたから相手にしなかった。そしたら市がその値段で買った。けしからん話だ。そんなに高く買ってくれるのならこっちだって買って欲しいよ(苦笑)」

旨の話をされた。これが、私が売り主希望価格が1億円程度だったのでは?と思う根拠の一つだ。
この話を一方的に信ずるのはA氏に対してフェアではないだろうが、さりとて無視できない発言である。

あの無道路地を買うのは、隣接地を所有するB氏くらいか、と言われれば私もそう思う。まず、A氏がB氏に買って欲しいと持ちかけるのは十分考えられる。
何らかの理由で件の土地を売却する必要があったA氏は、B氏が買ってくれないなら市に買ってもらうしかないかな、と判断したのでは?と推理する私は異常ではないだろう。
そして、A氏は市議に相談した…。

その後は、市の説明によれば08年7月初旬に市議から善行市民センターに話が持ち込まれ、財政課が副市長とともに現地を見にいった、らしい。
副市長が現地を見に行った後で土地開発公社が不動産鑑定士とともに現地を訪れたということは、この時点で土地取得を「前向きに」検討していたということになる。

7月中旬に土地開発公社が不動産鑑定士とともに現地を訪れ「約1億円」との概算金額を出していることは既に述べた。
この農水課文書の記述を見て、鑑定士が出した金額というよりも売買希望価格がそうだった、と感じるのは私がひねくれているからだろうか?

「民間では絶対に売れない土地」が市取得の場合は1億円……。

この圧倒的な開きをどう理解すればよいのだろうか???(続く)
| 01:39 | 議会(その他) | comments(2) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
善行土地問題
地元の有力者が市に土地を買って欲しい、と考えた。
そして、有力市議が橋渡しを引き受けた…。
ここから、今回の土地問題が始まった。

新井副市長は09年9月定例会の答弁では
「市民農園設置の地元要望を受けて取得の検討に着手した」
としていたが
陳情に関わらず「土地取得ありき」だったことを裏付ける内部文書が新聞にすっぱ抜かれた途端、12月定例会では一転、土地の売却希望に応えたことを認めた。

市は一連の土地取得は「違法ではない」どころか
「開発によって周辺一帯の価値があがるから良いじゃないか」
と開き直っているようにも見える。
市側の不誠実な議会答弁は問題だが、本件の核心は
土地取得過程
土地価格の決定過程
のあり方だと考える。

まずは土地の取得過程について見てみたい。
2008年7月初旬
議員から善行市民センターに
「地域で活用して欲しい土地があるので市で取得し、活用できないか」
と相談があった、と市側は説明している。
「活用して欲しい」と言えば聞こえはいいが、ズバリ
「買って欲しい」だろう。

で、冒頭でも述べたが、市側は当初は
「08年9月18日に善行地区自治会連合会から『市民農園開設』の陳情が出されて、検討した結果、土地取得を決めた」
としていたが、実際は地元から陳情が出される前に、土地取得の検討を始めていたのだ。
議員から相談された後、現地を見に行った事を副市長自身が認めている。
そして、
「08年9月に陳情が出される前から土地取得を検討していたことを、なぜ09年9月定例会で説明しなかったのか?」
との記者の問いに対し、副市長は
「7月に見に行った土地が、9月の陳情の土地と同じとは知らなかった」
と答えた、といった新聞報道もあったが、こんな説明で納得する者は皆無だろう。

まあ、市民陳情が出される前に当該土地の取得を模索していたこと自体は認めているのだから、今一度、経緯(いきさつ)を議会でしっかりと質していきたいと思う。

また、市長は12月定例会の最終日に、わざわざ日程に追加して土地取得の説明をおこなったのだが、これも問題を残した。
件の土地は善行地区にとっていかに有用なものであるか、また市民農園が住民にとって、とりわけ高齢者にとっていかに大切なものなのか、自身の祖母の例を持ち出しパネルを用いながら切々と訴えていた。
「巧言令色少なし仁」
は言い過ぎか(苦笑)。
ともあれ、私などには到底真似できない、情感あふれる見事な弁舌ではあった。

しかし、市長のプレゼンテーションの際に看過できない発言があった。
当該地周辺を一帯整備する、と発表したのだ。
付近には寄贈された樹林があるがきちんと整備されていないこと、付近で公園用地を必要としていることなどから、今回の土地取得をテコに周辺を一帯整備する、というものだ。

だが、こんな話はいつ決まったのだろうか?
私は市議会議員になってまだ7年弱だが、一度もそんな話は聞いたことがない。
善行地区の住民は、そんなに強く現地付近の整備を要望しているのだろうか?
政策目的と達成目標は何か?何の必然性があるのか?
確固たる計画があるのか???

それに、財政的な検討はなされたのだろうか?
既存事業すらカネが無くて進捗していないのに、十分検討されていない新規事業を組み込む予算的余裕が今の藤沢市にあるのか???
市長の頭の中では全てが解決済みなのだろう。

市が用地を取得するのは「健康増進」「利便性向上」「文化芸術の振興」といった明確な目的を持った市民サービスのためであり、それには歴とした計画が必要だということは論を待たない。

今回は、市民要望として「市民農園」用地を購入する、という事で検討されたのだが、結果は「コミュニティ事業」用地、となった。

しかし、このコミュニティ事業がどんなものなのか、市側は説明することが出来ていない。
「使い道は地元住民に検討してもらう」と言っているが、そんないい加減な説明は通用しない。
ようするに

「土地を買ってくれ」と頼まれたから買っただけ

だ、と言われても仕方ないだろう。

また、突如として発表された「周辺一帯整備」だが、これまでの説明では「単なる思いつき」としか思えない。
そして、本当にそうならば当然ながら公金支出のあり方として到底許されることではない。

既に本会議や総務常任委員会で指摘されてきたことだが、あらためて追求していきたいと思う。
(続く)
| 23:41 | 議会(その他) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
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