:::藤沢市議会議員 柳田ひでのり:::藤沢市議会議員柳田秀憲のブログです。

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学校校舎建て替え
少し前の話題だが、先週の22日に「議員全員協議会」が開催された。
議題は
「六会中学校耐震補強工事」について
である。

六会中学校は、建築されてから40年以上が経過している。今後も使用し続けて問題ないかどうか、建築構造の専門家が調査し、
「耐震補強が必要」
という判断が下された。それを受けて市が補強工事を行うことになったわけである。

だが、この建物は一皮むくととんでもなく「ボロい」ことが判明。
当初の予定を変更し、「補強」ではなく
「建て替え」
となり、そのために追加の財政支出が必要になる、ことを市側が説明したのである。

私は、単純に、そんなにボロなのならば「建て替え」ればよいと思う。
市側の速やかな決断を評価するところだが、同時に様々な疑問が出てくる。ここでは一つ、指摘したいと思う。

当初、建て替えなくとも、「補強」すればまだいける、とした診断結果は一体何だったのか?
建築構造の専門家が調査したにも関わらず、建物の痛みが分からなかったのだ。これをどのように見ればよいのか?
実際に建物はひどく傷んでおり、これは昭和40年前後の、当時の施工会社が手抜き工事、あるいは施工ミスによるという疑いが強い。

こうした欠陥工事をした業者が悪いのはもちろんだが、
「専門家」
による建築物の
「診断」
で、建物の不具合を
「見逃した」
ということではないのか。

見逃した、あるいは見つからなかった、と言ってもいいが、その原因として

1.診断した人が未熟だった
2.その診断方法そのものが不十分だった


その両方かもしれないが、
1.の場合は、その人が行った他の診断も疑わしいことになるので、他の校舎も診断し直しが必要となるだろう。
2.の場合には、他の診断方法を行う必要がある。
詳しくは述べないが、より綿密な調査をするのならば、当然その分費用がかかる。工事だけでなく、その前段階の「調査」の予算が、まず増額となるのだ。
さらには、学校耐震化事業は、
1.まず耐震診断
2.診断結果に基づいて設計を行い
3.工事開始
となる。診断から数えて一、二年後に工事を行うことになるのだ。
耐震診断は極めて重要だということが分かる。

私は、議員になって初めての一般質問でこの学校耐震化について触れた。
子供達の安全のため、また学校は市民の災害時の避難場所にもなるのだから、速やかな耐震補強が必要だということで、今後の工事計画や財源計画について、質問したのである。

私の質問に対して、市長は

「学校施設は災害時の避難施設としての重要な役割もあるので、学校施設の耐震化は本市としても最重要事業の一つとして取り組んでいきたい

「耐震化事業を進める上で、昨今の経済情勢や本市の財政等、大変困難な状況だ(から、優先順位を定めて、順次行う)。まず、児童生徒が日常的に生活する校舎棟の耐震化が最優先。体育館棟は校舎棟が完了次第となる」

「校舎棟は平成16年度から20年度までの5カ年計画で、残る25校の耐震補強工事を完了したい。体育館棟は校舎棟の耐震化が完了次第、32棟を3カ年計画で耐震化を行いたい」

「5年+3年、8カ年計画をもってすべての学校施設の耐震化が図れるよう実施する」

おおむね120億円程度の工事費が必要で、財政状況からすると非常に困難な情勢だ。しかし、学校施設の耐震化は最重要事業だ」

などと答弁した。

25校の耐震化と体育館の耐震化で総額120億円程度を見込んでいた、ということは、1校3〜40億円ともいわれる
「学校の建て替え」
は考えていなかった、ということになる。
さらに、この5年で25校すべての耐震化を終える、というのは
「市長公約」
なのだ。
公約をまもるには、建て替えでなく、耐震補強・改修で済ますことになる。

だが、建て替えなければならないのなら建て替える、補強・改修で持つのならばそれで済ます。
当たり前のことだが、今回のケースはどうだったのだろうか?

私が何を言いたいかというと、予算・工期ありきで
「補強か、建て替えか」
が決められていたのではかなわない。あくまでも技術的見地から判断が下されなければならない
はずだ、ということだ。

今回の耐震診断の方法では、コンクリートや鉄筋の状態など、躯体の状態は分からないのである。だったら、一体何のための診断だったのだろうか。
最初から補強ありきで考えていたから、詳細な診断方法をとらなかったのではないか、と邪推してしまうところである。

まあ、後からは何とでも言えるし、建物の状態が悪すぎたのだから、診断者や当局を責めるのも酷だと感じる。
施工が悪かったのだ。
ただ、今回の事をふまえ、診断方法の見直しや、計画の変更は避けられないだろう。

予算増や施工期間延長、というのも大変厳しい判断だが、綿密に調査・診断し、場合によっては補強になるはずだった学校も、
長い目で見れば建て替えた方がよい
ところもあるのではないか。
今後の展開を注目していきたい。
| 22:43 | 議会(その他) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
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