:::藤沢市議会議員 柳田ひでのり:::藤沢市議会議員柳田秀憲のブログです。

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6月定例会エピローグ 議会は感情で動く
というわけで、3回に渡って鑑定評価書と調査報告書の相違点を概観してきた。

価格の違いの最大のポイントは
「直ちに宅地化が可能か否か」
ということになる。

市側は何と説明して不動産鑑定士に鑑定依頼したのだろうか?
当時関わった職員からあらためて聴かないと分からないことがあるのだが、市側にとって痛いのは文書・計画書が一切無いことだ。
いくら計画がありますとか言っても、それを証明できなければ無いのと同じだ。

さらに言えば、「公共公益施設の設置を目的とした計画『話』」さえあれば、藤沢市内における市街化区域内のどんな原野・農地・林地でも宅地並みの価格に上昇させることが出来る、と指摘する識者がいたが、まさにその通りだ。

今一度、市の職員に問いたい。
本当に計画があったのか???

これまでは罰則がない委員会での答弁だったから良いが、偽証したら刑法犯になる100条委員会の場でも同じ答弁が出来るのだろうか?
自信があるのならば、是非とも100条委設置を受けて立って欲しい。

「100条委をやって何も出なかったらどうするのだ?」

と、与党議員に言われたことがある。
私は「何も無かったら良かった、メデタシメデタシ、ではないか」と言うだけだ。
議員は市の行政執行を監視することが仕事だ。それはある意味で市の仕事を疑いの目で見ることを意味する。
私はどちらかと言えば「市は間違っていない」と考える方で、これまでの議員活動はそうした立場が主だった。それに、そもそも人を疑うのは良い気分のものではない。
だが、それがイヤならば議員を辞めた方がよい。

これまでの市の答弁や参考人の意見聴取の中で、
市の主張通りの事が事実
とは思えないから100条委を主張しているのだ。
何も無い、とは「思っていない」ということだが、
「何も無かったら責任をとって議員バッヂを外します」
とでも言って欲しいのだろうか?

しかし、それならばそういう自分も同様の覚悟があるのだろう。
答弁や証言に虚偽があったらどうだろう。
「市に問題なし」と言ってきた諸君はどうするのか??

こういう話になるから「感情論」なのかもしれないな。
| 15:13 | 議会(本会議) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
6月定例会その2 政局の行方は?
この6月定例会では多くの議案の審議がおこなわれたが、市議会の裏側では佐賀ワキ議員の去就が注目されていた。

当初は、佐賀氏が参院選出馬にともない議員辞職するので、総務委のメンバーを入れ替えたいとか、後任の監査委員は誰にするのか、といった議論が実はあった。
しかし、公示が近づくにつれ、
「佐賀氏は出馬しないのではないか?」
という空気が強まってきた。

私は、佐賀氏が出馬し市議を辞職すると、与野党拮抗の今、一市議の辞職にとどまらない影響がでる、と考えていた。
私たち野党系としては、佐賀氏の辞職は与党の一角が崩れるので歓迎すべきことなのだが、結局参院選出馬はとりやめたので委員会構成や監査委員の選任問題などは起こらず、100条委設置も前回と同様に17対18で議長裁決もなく否決となったわけだ。
まあ「人騒がせ」の一語に尽きる。

最大与党の「ふじさわ自民党・無所属の会」の内情は知る由もないが、佐賀氏の件といい、各派交渉会といい、ゴタゴタが続いているという印象を持つ。

以前、旧かわせみ会が市議会最大会派だった時、与党会派から
「ただ人数が多いだけ。内実はバラバラで会派の体をなしていない」
と酷評されていた。一面その通りで、議案ごとに会派内で賛否が割れることがしばしばあった。
そこを突かれると、私は反論は出来なかった。
結局、寄り合い所帯は長続きせず、9人会派は私を含め5人が去り、1人増えて現在5人会派となっている。

一方、ふじさわ自民党は100条委設置を巡り対立が生まれ、2人が去った。
その後、無所属議員1名が加入し7名会派となり、1名差で念願の最大会派に返り咲いた訳だが、引き替えに「自民党会派」という大義は失われた。
そして、佐賀氏は既成政党を否定する立場の新党に移り、一時は市議会を去ることまで視野に入れていたわけで、結果的には議員辞職をしなくて正解だったが、筋から言えば佐賀氏はこの時点で最低限会派は抜けるべきだったと思う。

更に、市川議員は、ひとり方針に背き100条委設置に賛成して男を上げているわけだが、今のところ会派を離れていない。
市川氏は2度も造反しているのだから、会派をたたき出されても仕方ないと思うがそれもない。

佐賀・市川議員が離団すると最大会派から転落してしまうから出て行けと言えない、としか見えない。

いずれにせよ、余計なお世話だけどね。
一言だけ言わせてもらうと
「会派の体をなしていない」はそっくりそのままお返しする。

市議会の会派は党派ごとに結成されているとは限らない。
私も今でこそ民主党議員2名で会派を組んでいるが、これまでは違ったし、これからどうなるかも分からない。
まあ、偉そうなことは言うもんじゃないな。

民主党の方針では「民主党議員は同一会派で活動する」となっているが、他党の議員と会派を組むのがダメな訳ではないので、議会構成次第では他党の議員と組む可能性は否定しない。

そして、寄り合い所帯的な会派を組んだ結果、会派内で賛否が分かれることもあるだろうが、議会は多数派形成の場だ。何党だから一緒に出来ない、なんて言っていられない。

ただ、ケジメは必要だ。
市議会は、機関として市当局と対峙する立場だが、市長与党的立場も否定はしない。
なので、議員は対市長・対当局とのスタンスに関し、同一歩調をとれる者同士で会派を組むのが基本だ。

ということは、「政見」「思想信条」が問われるような議案の場合は、賛否が分かれるのは仕方ないと思うが、予算など市の基本政策議案に関して賛否が分かれるようでは会派は組めないことになる。

また、中央政党の関係も当然無視できない。
公明・共産は一枚岩だからあり得ないとして、社民党が連立政権を離脱した以上、民主党の私は以前よりも社民会派とは組みにくくなったし、自民系は打倒民主なので同じ会派になるのはそれ以上にハードルが高い。

以上の点が、市議会内で会派を組むか否かの分かれ道となろう。
この他、昨今の「議会改革」のような、議会の役割そのものが問われた際の考え方についても共通認識が必要だ。
「藤沢市議会は特別だ」
というのは通用しない。地方自治改革・地方議会改革という波は当然藤沢にも押し寄せるわけで、今後の重要論点だ。党派・議員は議会のあり方に関して、定見を持たなければならない。
ちなみに、この「議会改革」は地方選の際の党派マニフェストのテーマに相応しいと思っている。

今、参院選で各党派が生き残りをかけた闘いを繰り広げいている。
私たちの統一地方選挙は来年4月だが、今後の政局によっては地方議会の構成も大きく変わる可能性がある。
民主党は、地方で根が張れていないと指摘され続けてきたが、政権与党となった事で地元での存在感が増してきているのも事実だ。

100条委設置は今回もかなわなかったが、土地調査報告書という強力な武器も手に入れた。今後も攻勢を強めて行きたいと思う。
これから市議たちは通常の議会活動とともに、自分の選挙に向けた動きを始めることになる。
参院選の結果次第では、市議会内での動きも出てくるだろう。
| 21:14 | 議会(本会議) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
6月定例会終わる 土地評価は4250万円
昨日をもって6月定例会が終わった。

今回、私は常任委員会での発言無し・一般質問無し、最終日の「100条委設置」の議員提案の際、少々答弁の機会があっただけ。

というのが、表向きだが、この100条委提案に向けて、水面下で与野党の攻防が繰り広げられており、市民に見えないところが私の戦場だったのだ、というと格好つけ過ぎかな。

さて、前回は議運委での100条委設置を求める請願・陳情の審議の一端を書いたわけだが、結果は否決
これが、6月16日

請願は本会議でも採決するので、与党から1名でも造反が出ると可決される、という状況だったので、微かな期待をしていたが、やはり否決された。
まあ、前回書いたとおり、与党の反対討論の中で
「土地取得は市長の専決事項(だから議会は口を出さない)」
との発言があった!ので期待してなかったからさほど落胆は無かったが。
これが6月18日

ちなみに、前回は
「専管事項」
と書いたが、専決事項、だったようだ。

専管→いってに管理すること
専決→その人の意見だけで決めること。また、勝手に裁決すること
by広辞苑

ホントに議員の発言か?

で、実はかねてより公社取得の土地についての調査を不動産鑑定士に依頼していたのだが、その結果が出た、のが採決当日18日の午後。残念ながら、本会議の採決が終わった後だった。

結論から言うと、価格は4250万円(市公社の取得金額は1億0850万円)が妥当であり、市の鑑定には問題を含む、というもの。
これは非常に協力な武器だ。

これまで、私たちは
1.取得の理由
2.取得の経緯
3.取得金額

を争点としてきたわけだが、3.は不動産鑑定の専門領域であり、私たち議員には荷が重いというのが正直なところで、議会での議論は1.と2.が主なものだった。
この二つに関しては、市側の不当性は一定程度明らかに出来たと思うが、最後は関係者の「証言頼み」となってしまい、限界があった。
物的証拠は唯一、農水課の文書だけであり、それとて農水課以外の関係者に一斉に口裏合わせをされると効果が薄れてしまう。

そこで、3.で勝負に出るには、向こうが不動産鑑定書を根拠にする以上、こちらも鑑定士に調査を依頼して問題を明らかにするしかない、と判断。
有志議員とともに不動産鑑定士に価格調査及び市側鑑定についてのセカンドオピニオンを依頼したのだ。
これが5月。
6月定例会での100条委設置をめざしているので、閉会までに調査報告書を作成してもらうようお願いした。

そして、約束通り会期中に仕上げてくれた。
各会派の代表2名が作成者より説明を受け、23日の決戦に備える。
それにしても、専門家というのは大したもので、説明は簡潔明瞭。こちらの理解は深まった。
これを武器に「再度議員提案をしよう」と4会派がまとまり、
23日最終日に「100条委設置」の議員提案をおこなったのだ。

提案議員は他の市議からの質問を受けなければならないのだが、与党市議からの質問は殆どなかった。準備万端、とは言えないが、調査報告書のレクチャーを受け、論点整理して質問を待ち受けていたのだが。

まあ、どうみてもこちら側より与党側の方が土地価格についての知識では分が悪いから、あまり質問しないのは議会戦術上は得策、とは思う。

与党はむしろ、3大紙が一斉に「市取得の半値以下」「4250万円」と報じた事に対して市側も抗弁したいだろう、という事で市に抗弁の機会を与えるような質問をして役目を果たした格好、と言えよう。

経営企画部長は、
「議員が得たのは調査報告書であり、正規の鑑定書ではない」
「正規の不動産鑑定書だけが公的に通用するものだ」
「鑑定書は正常価格の証明書として通用するが、調査書は正常価格であると主張することはできない」
みたいなことを強調していた。
これは、その通りだろう。
公共用地の取得の際には、鑑定書、でなければならないのは確かだ。だから、市も鑑定書を得ており、それを基に取得金額を決定している。
一方、私たちが得たものは、あくまでも「調査報告書」であり「鑑定書」ではない。
だが、国家資格を有する不動産鑑定士がつけた価格という点に違いはなく、法的には同等の効力を持つ。
それに、そもそも私たちがあの土地を税金を使って買うわけではないのだから、鑑定書である必要もない。ようは価格が分かればよいのだ。

報告書と鑑定書の違いくらいにしておけばよいのに、技術的な点についても部長はいちいち反論していたが、市の部長が専門家の調査に対してああだこうだとケチをつけるのはいかがなものだろう。

これに関しては長くなるので今回は割愛し、次回以降に答弁の問題点を明らかにしていきたい。

今回はとりあえず、部長が何度も強調していた
「正常価格」
について、少し触れたい。

不動産鑑定における正常価格とは?
国交省が定める不動産鑑定評価基準では

「正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいう」


とある。
説明したい。
まず
1.市場性を有する不動産について

みなさんも家を買ったり借りたりした経験があると思うが、ようは不動産屋の店頭やインターネットの不動産サイトなどが通常の市場、という意味だ。
「限られた人しか知らないお宝物件」
みたいなのは市場性を有する、とは言えないわけだ。
比較的簡単な話だ。

つぎに
2.現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場について

(1)市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、参入、退出が事由であること。なお、ここでいう市場参加者は、自己の利益を最大化するため次のような要件を満たすとともに、慎重かつ賢明に予測し、行動するものとする。
1.売り急ぎ、買い進み等をもたらす特別な動機がないこと
2.対象不動産及び対象不動産が属する市場について取引を成立させるために必要となる通常の知識や情報を得ていること
3.取引を成立させるために通常必要と認めらる労力、費用を費やしていること
4.対象不動産の最有効使用を前提とした価値判断をおこなうこと
5.買い主が通常の資金調達能力を有していること

(2)取引形態が、市場参加者が制約されたり、売り急ぎ、買い進み等を誘因したりするような特別なものではないこと。

(3)対象不動産が相当の期間市場に公開されていること


これらの条件を満たす市場に、対象不動産が売りに出されたとして、適正な売買成立価格はいくらかと推量した結果導きだされたのが正常価格、とされている。

市公社の鑑定書は「正常価格」となっている。
で、件の土地はどうだろう?
「市場性を有する」といえるか??
「合理的と考えられる条件を満たす市場」で売れる価格、といえるだろうか??


ちなみに、鑑定書には正常価格の他「限定価格」とか「特定価格」「特殊価格」というものが用いられる。

「特定価格」というのは不動産投資信託のような利ザヤ狙いの転売前提のようなものに用いられ、「特殊価格」というのは文化財指定を受けた建造物など、通常の市場で取引されることのないものに用いられる。

で、限定価格について。
よく、下世話に
「となりの土地は倍出しても買え」
などという。

道路に一部分面しているような「ハタ地」の所有者が、間口が全部道路に面している隣地を買うような場合、他の人よりも高値で買う動機がある。
この人の土地資産をみた場合、新たに買った土地という資産が増えるだけでなく、従来の自分の土地全体の価値も上がることになるわけで、他の人よりも高い値段で買う意味が大いにあるのだ。
こういう場合、適正価格は限定価格、なわけだ。

誰がみても同等の価値…正常価格

人によって価値が異なる場合
(となりの土地は倍出しても買う)
…限定価格


「5年前3000万円なのに、なぜそれが1億円もするの?」という疑問に対し、
「民間と行政とでは取得金額が違う」
という主張が連合審査会などで度々なされていた。
本件がそうかどうかはまた別の機会に論じたいが、そういう場合が無い、とは言わない。あり得るだろう。
しかし、買う人次第で価格が異なるならば「正常価格」ではなくて「限定価格」の鑑定でなければならない。

で、繰り返すが本件は「正常価格」で鑑定されているのだ。
ホントに正常価格で良かったのか?
(この項つづく)
| 23:24 | 議会(本会議) | comments(3) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
6月定例会始まる
今週の月曜日、6月定例会が始まった。
私は会派を移動した関係で、議席もこれまでの2列目から最前列になった。
議席番号は15番から4番に変更だ。
そして、答弁席には新しい部長が座っている。
新しい議席からの議場風景は新鮮に映るが、そのうち慣れてしまうだろう。

さて、今定例会では、いくつかの補正予算が上程されている。
で、補正予算とは何だろうか?その前に、そもそも予算とは何だろうか?

一般的には、収入・支出の見積もりのこと。
行政にとっては、一年間の仕事の内容を示し市民の理解を得なければならないもの、ということになろうか。
で、議会での議決をもって「その予算で良いですよ」と市民の理解を得たことになるわけだ。

行政の仕事は全て予算に盛り込まれている。
裏返すと、予算にないものは執行してはいけない。

予算の議決は、年度が始まる前におこなう決まりであり、
来るべき新年度の全事業を表したものを「当初予算」
と言ったりするわけだが、当初予算成立後に何らかの事態が起きて新たな支出などが必要になった場合でも、予算にないものは行政は執行してはいけない。

ではどうするのか?
当初予算を変更し、議決を得る手続きが必要
で、これが補正予算である。

補正予算を組むことは「やむを得ない」場合、つまり当初予算を提出した時点では存在していなかった新たな事由が生じた、という場合に許される。

ということは、今定例会で出された補正予算の事業は、当初予算成立「後」に生じた事由によるものだろうか?
これが、補正予算審議の際に一つのポイントとなる。

何が言いたいのか、というと。
実は、当初予算成立前に分かっていたのではないか?
そうした事業が補正で出てきてやしないか、ということだ。

少し説明したい。
当初予算「提出時点(2月)」には不確かだったが「成立時(3月)」には分かっていた、という案件に関しては、当初予算に間に合わなかったのだから6月議会で補正予算を組むしかないだろう。

たとえば、国の補助金が出る事業。
補助金採択が3月の年度末ギリギリに決まったので当初予算に組み入れることができなかった、というケース。
これなら、6月定例会で補正予算として上がってくるのは当然だ。

また、市のゴミ焼却炉の更新予定は2年後だったが、爆発事故が起きて交換しなくてはならなくなった、という緊急事態も該当しよう。

だが、そうした国庫補助や緊急対応と無関係の事業についてはどうだろうか?
市の経常的な事業・物品購入に関して補正予算を組むのはおかしいし、事故・災害や急激な景気後退など緊急的事態が起きているわけでなければ市単独事業は当初予算に計上しておくのが基本、だ。

ともあれ、手続きに少々疑問があるくらいならば、市民生活に必要な予算を認めない訳にはいかないのだが。
ただ、補正予算の中でちょっと気になる事業があるので、今後調査してみたいと思っている。

この他、陳情・請願の審査が行われるが、今回も善行土地問題に関して陳情・請願が一つずつ出されている。
陳情は真相究明を求める、というもので、請願は100条委設置を求めるものであり、基本的な内容は同一だ。

果たして、100条委設置となるのか?
あるいは与党3派がまたしても否決するのか?

この陳情・請願は、まずは16日の議会運営委員会で審議され、その後正式には18日の本会議の議決を持って決着となる。
ぜひとも、16日の議運委と18日の本会議に注目していただきたいと思う。
| 23:55 | 議会(本会議) | comments(5) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
臨時会その2 〜議長裁定で決着〜
本日、市議会臨時会が開催され、各議員の所属委員会が決まった。
私は文教常任委員会と行政改革等特別委員会に入ることになった。
ともに、私は8年目にして初めての所属となる。

このように、各派交渉会が決裂して以降議会は空転していたが、状況を打開するべく議長自ら乗り出したことによって、事態はようやく収束したわけだ

議会は合議制の機関だが、最終的には多数決によって意思決定を行う。
そして
「機関としての議会」の決定が市の意思決定
となるわけで、議員個々の意思・発言は尊重されるものの議員一人一人に意思決定権があるわけではない。
その中で、例外的なのが「議長」だろう。
一議員とは法制度上で別格の扱いになっており、議員の中でもとりわけ責任が重大な地位だといえる。

「議長」は、市議会議員にとっての「お父さん」「お母さん」
的な役回りが期待されるのだ。
名実ともに議会のトップ、「顔」だ。

なので、私たち議員は、少なくとも私は議長に理解を求められると弱い
議長に「頼むよ」と言われることなど滅多にないが、だからこそ言葉には重みがあり、受けるこちらも真剣に向き合うことになる。

私は議員になってから、国松議長・河野議長、そして今の山口議長が議長職を担った。
国松議長と河野議長は公平な議会運営をめざし、議員各位が本来の活動ができるような配慮が感じられた。
また「議決機関・意思決定機関としての市議会」という、議会のあるべき姿についての一家言があった。

一方、山口議長も公平な運営、議員一人一人への配慮、を感じる方であり、基本的に私は信頼を置いている。

ただ、山口議長が不運だなと感じるのは、市長選のしこり等で「最大与党が分裂」という中での船出、その後は議会が100条委員会設置で真っ二つに割れるという局面となっており、その意味では前の二人と比較すると難しい舵取りが要求されていると言えるだろう。

もちろん、議長になったからにはどんな状況でも的確に判断しなくてはならない、不運もなにもない、という意見もあろう。
正論だろうが、私は山口議長はご苦労が多いだろうな、と単純に思う。

議長が調整した今回の委員会構成は、交渉会で紛糾した
「総務委 与党6:野党3名」
「建設委 与党5:野党4名」
という案が撤回され、
「総務委 与党5:野党4名」
「建設委 与党4:野党5名」

となった。
野党側の要望に配慮した、私たちとしては納得できるものとなっていた。
与党が過半数を得ていることを盾に与党案の採決を断行するというのなら、私たちに残された道は
「議長不信任」
動議の提出しかなくなる。
こうなるともう喧嘩だ。
これとて否決されるだろうが、議長は決定的に傷つくことになり、藤沢市議会に大きな禍根を残す。

何も好き好んでそんなことをするわけではないが、強行姿勢に対しては強行にならざるを得ず、断崖に向かう、いわば
「チキンレース」
とも言える状況に与野党が陥っていた。
だが、「お父さん」たる山口議長が退路を断って直接交渉に乗り出すと、互いに矛を収め

与野党激突→議長強行指名→野党側が議長不信任

という最悪のシナリオは回避された。

各派交渉会は紛糾し決裂、時間を空費した。今回の騒動は決して褒められたものではなく、反省すべき点がある事は認めざるを得ない。
だが、最高責任者が誠意を持って事に当たれば局面が打開できる、ということを目の当たりに出来たのは私にとっては収穫だ。
| 12:21 | 議会(本会議) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
大荒れの最終日
2月定例会が終わった。

2月17日〜3月17日までの会期だったのだが、最終日は色々あり、深夜0時を回り日付をまたぐことになり、会期を1日延長、18日の朝方4時過ぎに閉会となった。

議員になってから会期延長は初めてのことだったのだが、これ以外にも、
来年度予算案に対して16名の議員が反対
総合計画には11名の議員が反対
さらには例の善行問題に関する100条委設置議員が前回より1名増え
17名の議員が100条委設置を求める
など、異例ずくめの議会だった。
議会野党と市長の対立は抜き差しならない状態だ。

最終日が遅くなった原因はいくつかある。
まず、中国・雲南省から要人が来訪し、ニエアル記念碑への参拝と市長(と議長)への表敬訪問がおこなわれた関係で、本会議を一時中断。

昼休み後の開会も、普段より少し遅れた。
そして、私の岳父である元藤沢市長の葉山峻が亡くなり、通夜が営まれたことで、市長・議長が弔問して下さるということになり、また、多くの同僚議員の皆さんと市側幹部も通夜に参会していただいた。
これで、午後5時〜8時頃まで中断。
遺族としては、議会を中断してまで弔問にお越し頂いた皆さんに対しては、ただただ感謝であり、恐縮するばかりだ。

これだけでも遅くなってしまったのに、さらに
本会議における発言を巡り紛糾し、市議会は空転。再開の目途が立たなくなってしまったのだ。

きっかけは、松長議会運営委員長が本会議で代表監査委員に対して暴言を吐き、これに我々野党側が一斉に反発。
一方、我が会派の竹村議員の予算討論の際、善行土地問題に関する発言の中で
「監査委員4名のうち、識見委員2名が『市は不当』との判断をした」
という発言を、今度は自・公が問題視し、取り消しを求めてきた。

この2つが原因である。

以前もこのブログで触れたが、監査委員4名の構成は議員2名、公認会計士2名だ。
このうち、善行の土地取得に関しては、専門家の2名が「市は不当」との判断をした、と推察できるのだが、表向きは誰が「市に問題なし」として、誰が「市は不当」としたのか、公表しないことになっている。

それを、我が会派の討論で
「専門家2名が不当とした」
断言したことに対して、「事実と違う」と議会選出の監査委員を出している会派(自民・公明)からクレームが付いたのだ。

私は「2対2」で意見が割れた、という報道を見たのだが、「1対3」だった、という話も出ている。
いずれにせよ、「2対2」か「1対3」か「3対1」しかないわけで、なんであれ大勢に影響はない、と思うのだが、議会選出の委員が市を庇ったが識見が公正に判断した、という様にとれる発言だから、自公は気にくわなかったのかもしれない。

確かに、事実が明らかにされない以上、本会議での発言としては不適当だっただろう。だが、事実じゃない、は言い過ぎであり、ならばその証拠を見せろ、と言いたいところである。
さらに言えば、公表されていないにも関わらず、なぜ、事実ではない、と言い切れるのだろうか???

まあ、そこまでは言うまい、ということで、訂正なら応じる、と返答したのだが、訂正といってもインターネット中継は訂正できない、あるいは煩雑になるなどの問題もあり、あくまでも発言は取り消し、ということらしい。この権限は議長にあるのだ。
で、そちらがあくまでも突っ張るのなら、議運委の場で竹村発言の取り消しを求める採決すら辞さない、と議長サイドは強行姿勢である。

が、そこまで言うのなら、先ほどの本会議場での議運委員長の暴言はどうなのか?
よそ様の発言について重箱の隅をつつくようなことを言う前に、先ほどの議運委員長の暴言の方が遙かに問題であり、身内に対しては議長はどう始末をつけるのか?

と、こちら側も反発。当初は議運委員長が本会議場で謝罪して幕引きか、と考えていたのだが、強行姿勢に対してはこちらも強行にならざるを得ない。
望むところだ!
ということで、議運委員長に対しては、本会議場での謝罪と委員長の辞任を求めることになった。

松長委員長の発言、といっても実際には不規則発言、つまり「ヤジ」だが、詳細については控えたい。
ただ、私たちとしては看過出来ない「暴言」であった。議員として、というよりも人として。
さらに、暴言の背景には、善行問題を巡り、与党議員として代表監査委員の判断への不満があったと解釈されても仕方なく、であれば、議会最大会派の団長が代表監査委員に対して公然と圧力をかけた、とすら言える。
たかがヤジ、とはいえ、由々しき事態なのだ。
ということで、他会派からは

「あんな委員長に、議会運営を仕切って欲しくない。辞任は生ぬるい。懲罰委員会を開く必要があるのではないか?」

という意見すら出始めていた。
自ら辞めないというのなら懲罰委員会で白黒つけよう、という事態に発展するわけで、これはこれで大変な事になる。
懲罰委員会は議員5人の発議で設置が可能で、設置はまず間違いない情勢だ。
そうなると発言を詳細に検討することになり、場合によっては泥仕合になり、市議会内部に拭い難い禍根を残すことになりかねない。

議長サイドも事態の深刻さを認識したのか、松長委員長は最終的に辞任を決断し、議運委・本会議場でも非礼をわびた。
最後の態度は潔く、立派だったと思う。先のヤジが悔やまれる。
これを受け、我が会派は竹村発言の取り消しに同意、こちらも採決は回避された。

辞任と発言取り消し、いずれも当事者自らの発意、ということになり、一応は丸く収まった格好だ。
議運委は塚本副委員長が委員長に、副委員長には熊倉議員が就くことになり、ようやく午前3時前に議会は正常化した。だが、
議会内も市長与党と野党側との対立構造がますます鮮明になってきた。
このまま来年の市議会改選まで、こうしたつばぜり合いが繰り返されることになるのだろうか。

ようやく本会議が再会され、100条委設置が否決、残りの議案の採決がおこなわれ、終わったのは午前4時を回っていた。

地方分権一括法施行以来、地方議会の活性化・改革が唱えられて久しいが、
オール与党の議会ならば、何をやっても活性化などするはずもない。
その意味では、与野党が拮抗してきた藤沢市議会はまさに活性化している、と感じる。
活性化、と言わなければ、いよいよ藤沢市議会も議会らしくなってきたのではないか。

それにしても、色々な事が起きた2月定例会だった。
加えて、岳父で、政治の師・人生の師でもあった葉山峻が亡くなるとは…。このところみるみる衰弱してきて、覚悟はしていたが……。

怒濤のような1カ月間も今日で終わり、と思ったら、最後にこんなドラマが待っていようとはな…。葉山の葬儀とともに、忘れられない一日となるだろう。
そして、新年度はもう目の前だ。時は待ってはくれない。来年度も何が起こるかわからないが、当分気持ちの整理が付きそうにないな。
| 23:40 | 議会(本会議) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
新総合計画案に反対
2月定例会が始まり、昨日は二日目。
初日は市長の「施政方針演説」をはじめとした提案説明だ。
つまり、市側の説明を聞くだけ。

二日目の本会議は、初日の市側説明に対する質疑を行い、来年度予算などは代表質問・予算委員会に先送りするが、今日すぐに決められるものは決めてしまうわけだ。
その中の一つが「総合計画」だ。

総合計画は市の全ての施策の基本となる、いわば自治体の憲法、バイブルだ。
そして、市議会はその基本構想の部分を議決することになっている。


それだけ重要なものなのだが、今日の本会議で私たちの会派は今後の海老根市政の方向を決定づける新総合計画(案)に反対した。
海老根市政は根本が間違っている、と宣言したことになる。


そして、採決の結果賛成多数で可決され、新総合計画は正式なものとなったのだ。

我が会派が反対した理由は、昨日の本会議で私が会派を代表して討論をしたものを掲載するのでご覧いただければと思う。


〜反対討論ここから〜

議案第49号藤沢市新総合計画基本構想について、反対の立場から、かわせみ会の討論を行います。

憲法に謳われる地方自治の本旨とは、国の中に「地方公共団体」という行政単位を定め、他から独立した存在として意思決定を行うという「団体自治」と、団体内部はそこの住民自らが治める、すなわち「住民自治」ですが、この二つが揃うことを意味しています。
住民を代表して団体の意思決定を行う機関は議会に他なりません。

そして、地域経営会議です。
憲法上の存在たる市議会と比較して、自治体の意思決定機関としてみた場合、以下3つの問題点を指摘させていただきます。

第一に、地域経営会議の設置要綱に地域自治の意思決定機関と明記されていますが、地方公共団体の意思決定機関は公選の議員で構成された議会であり、地域経営会議に住民を代表して意思決定する権限があるということは法の上ではあり得ないと考えます。事実、同会議の設置根拠は要綱のみであり、条例化はされていません。
さらに、各委員は民主的手続きによって選出されておらず、その意味からも各13地区内限定とはいえ民意を代表していると考えることは出来ません。

第二に、私たち市議会は市税の使途を審議し決定しています。それに対して、各地区固有の税が存在しない以上、地域経営会議の委員が納税者を代表していると考えることは出来ません。
また、地区限定の財源とその決定権を各地区に所与のものとして割り当てると市税の受益と負担の関係が明確になりません。これは、財政民主主義の原則から逸脱しています。

第三に、そもそもこの地域経営会議は市長の選挙時の公約で示されたものであり、当選を果たしたことで一定の民意の裏付けを得たことは認めるものの、各地区で地域活動に携わる人々が自主的に地区内に横断的組織をつくり議論を積み重ねたものではなく、いわば行政主導の組織です。
その結果、地元からは権限や財源を付与されても責任が持てないとの戸惑いの声が聞かれます。住民が議会に変わる意思決定機関の設置を求めたわけではなく、法的根拠も無い以上、当然の反応だと感じます。

 以上から、地域経営会議については、市の施策に地域の実情を反映するための諮問機関という位置づけならば理解できますが、市内各地区の意思決定機関であると認めることは出来ません。

 このような問題がある中で、市長が地域経営会議を市政運営の根幹をなすものと位置づけている以上、新総合計画自体を認めることは出来ない、というのが我が会派の結論です。

〜討論は以上〜

つまり、
市長肝いりの「地域経営会議」
は総合計画の実施計画づくりをはじめ、市政運営に大きな役割を果たすことになっているが、議会以外の意思決定機関の設置など、そもそも憲法違反・法律違反ではないのか?

こんなものを認める議会は自己の存在を否定していることになるだろう。
反論があれば、是非きいてみたいものだ。
| 13:33 | 議会(本会議) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
5月臨時会
20日、市議会臨時会が開催された。

この会議では、市側議案が2件と、議会人事が決まった。
今回は、議会人事について触れたいと思う。

最大会派である我々は、今回改選となる議長を取りに行くことにした。

もっとも、最大会派といっても、我が「かわせみ会」が9名、自民党が8名、さつき会7名、公明党6名と、勢力は拮抗しており、どこかの会派が一つだけで議会のイニシアチブをとる、という状況ではない。
第一会派・第二会派が仮に連合しても、過半数に届かないのだ。

ということは、三つの会派が組まないと、主導権を握れない
ことになる。

ここで、市議会の構図を考えてみたい。
まず「ふじさわ自民党」は海老根市長与党を公言しているように、市長を支える立場である。議会として市長をサポートしようというなら、当然議長を狙ってくるだろう。
が、自民だけだと8名に過ぎない。当然、市長与党として多数派工作をはかることになり、まず政権与党の公明と連合、となる。

一方、我々は市長に対しては「是々非々」。市長野党とも言い切れないが、間違いなく与党ではない
議長をとって市長を支える、のではなく、議会本来のチェック機能を果たし市側を牽制するために議長を狙うという違いがある。

こうして、我が「かわせみ会」と「ふじさわ自民党」が議長の座を争った訳だが、「市長与党」側がこの争いを制した。
自民に国政与党のパートナーである公明が連合し、それに「さつき会」が加わることになったのだ。

さつき会は、国政レベルでみれば「民主党系」と言えるが、市議会では与党的なスタンスをとっている、と言ってよいだろう。
確かに、今の海老根市政は自民党が支えてはいるものの、市長自身は自民ばかり見て市政運営をしているわけじゃない、と見るのが私はフェアだと思う。
という訳?で、他会派の私がとやかく言う筋合いではない。ただ残念、の一言である。

ともあれ、この結果、自民8、さつき会7、公明6が連合し、計21名。市議会36名の過半数を与党系会派が確保し、「是々非々」を掲げる我が会派は最大会派とはいえど、多数与党が結成されたことで少数派となってしまった。

この時点で「議長レースは勝負あり」となったのだ。

地方政治は、ともすれば「オール与党」と揶揄されてきたが、市長与党か否か、ということが市議会各会派の合従連衡の決め手となる、という構図が藤沢市政でも生きている、ことをあらためて思い知った。

であるならば。
我が会派に残された道は、議長選挙で敗れるのを承知で我が方から候補者を出すか否か、という選択だが、我々は市側との対決構造を明確化するためにも、議長候補を立てることを決断した。

そして、野党系会派の共産党・市政市民派・アクティブ藤沢に共闘を呼びかけた。いわば、「野党連合」が結成されたわけだ。

議長選挙に諏訪間春雄氏(かわせみ会、4期)、副議長選挙には真野喜美子氏(市政市民派、3期)の擁立が決まった。
そして本会議を迎える。

まず、議長選挙が投票で行われた結果、22対14で山口幸雄氏(自民、3期)が当選。
続いて、副議長選挙となり、同じく22対14で橋本美知子氏(さつき会、3期)が当選。
自民・公明・さつきに、一人会派の湘光クラブが加わった、とみられる。

我が方の諏訪間・真野両氏は善戦むなしく敗れたが、二人には立派な闘いをしていただいた。
正・副議長選挙は残念な結果となったが、市議会各会派が立ち位置を明確にした、という意味で、非常に有意義な選挙だったと思う。

このほか、議会三役である監査委員と、各常任委員会の正・副委員長などが決まり、市議会の新体制が正式に決まった。
私は、建設常任委員会の所属となったほか、議会運営委員会、環境・災害特別委員会の委員、さらに議会報編集委員会の委員長になることが決まった。
これまで6年間の議員活動のうち、民生常任委員を5回、建設1回という委員会経験で、今回2年ぶり2度目の建設常任委員会の所属となった。

建設常任委員会は、都市計画のほか経済部門も所管している。
昨今の産業空洞化の流れで、市内でも工場の跡地利用などが問題化している。
このように、市の経済政策と都市計画は密接な関係にあり、今年度はこれらの課題に委員として取り組んでいきたいと思っている。
また、代表質問で表明した通り、一議員としては市の財政のあり方や、福祉行政について、市側の姿勢を質していきたいと思う。

新たな体制がスタートした。
議員としての、新年度のはじまりだ。気分一新、市政発展・市民福祉向上をめざしていこう。
| 18:58 | 議会(本会議) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
代表質問その5
件名5.福祉行政について

要旨1.扶助費について

質問1.扶助費見直しについて
施政方針で「将来的に財政の健全性を堅持するためには、増大する扶助費等への対策を早急に行う必要があり、平成21年度において、市単独で実施している扶助費等について一定の基準を設け、見直しを行いたい」とのご説明がありました。
確かに、扶助費は増えているのでしょうが、高齢者の方が増える、あるいは、生活困窮世帯も増えているという現下の情勢ではあまりに当然といえば当然です。
扶助費の内訳ですが、まず、生活扶助費、住宅扶助費、教育扶助費など生活保護法によるもの、教育扶助費など児童福祉法によるもの、身体障害者福祉法によるもの、老人福祉法によるもの等々、その多くが法に基づくものです。つまり、市に裁量がないものが大半です。
その中で、見直し対象となるのは、市単事業なのか、あるいは、国の事業の、いわゆる上乗せ・横出し分なのか、はっきりしませんが、たとえば小児医療費の無料化なども扶助費に含まれるわけで、そうするとこれも削減対象となるのかもしれません。
しかし、扶助費に分類される事業は、まさに住民に身近な基礎的自治体らしいものだと私は思いますが、この市単部分を否定するとすれば、市としては重大な政策転換です。
財政の硬直化が理由となっていますが、十分な説明が果たされなければ、市民の理解を得ることは出来ないでしょう。

そこで、質問します。
扶助費見直しについて、考え方をお聞きします。
次に、扶助費の主なものについて、また推移と増えている理由について、お聞きします。

質問2.
生活福祉について

生活保護制度は、いうまでもなく、憲法25条、「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」に基づいており、「生存権」を保障するのは国の義務、ということになっています。そして、生活保護法第1条には「国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」
と謳われています。
つまり、生活の保障とともに、自立の助長が、この制度の根幹となっているわけです。
また、今、困っているかどうか、経済状態のみに着目して保護対象となるかどうか決めることになっており、困窮状態に至った理由は問われません。これは、「保護請求権無差別平等の原理」と呼ばれる、この制度の基本原理とされています。

生活保護制度に対して、批判的な見方があります。
健康そうな若い人が、生活保護を受けているのはおかしいのではないか、働けるだろう、と。しかし、外見では分からないが病気にかかっていて働けない、という場合も十分ありえます。
あるいは、たとえば親類の援助を受けているのに隠している、つまり不正受給している、というのもあるでしょう。
報道などでも不正受給が取り上げられることがあり、こうしたイメージをもたらしているのだと思いますが、これはごく一部のケースだと思います。こうした一部の違反者によって、大多数の適正に保護を受けている方々が疑いの目で見られることがあるなら不幸なことです。

また、生活保護の方が国民年金よりも多くもらっている、生活保護の方が最低賃金で働くよりも多くもらえる、という比較がなされ、これが批判の対象ともなっています。
各地の物価水準などで生活保護基準は異なりますが、藤沢市の場合は、もっとも物価が高いグループに位置し、「33歳男性、29歳女性、4歳の子供」という標準3人世帯の場合、世帯あたりの最低生活費は平成20年度で月額172,870円となります。
年収200万円以下の人口が1000万人を超えたと言われる中、生活保護基準が高すぎる、という批判が出るのも道理かもしれませんが、最低賃金や国民年金が低すぎるのではないでしょうか。

他方、水際作戦と呼ばれる、本来なら受給資格がある人に対して、様々な難癖をつけて申請させない、ということが一部の自治体で行われている、という指摘もあります。
北九州市では、生活保護に関連した『孤独死』が相次ぎ、問題となりましたが、これも保護申請をなかなか認めない、あるいは保護を打ち切ったりした結果の悲劇でした。なかでも、半ば強引に保護を打ち切られた男性が、「おにぎりが食べたい」と書き置きを残して餓死死体となって発見されたケースは大きく報道されました。

このように、なかなか保護を認めない、あるいは打ち切るようになってしまう原因として、保護費の1/4の負担と、事務経費を自治体が負担することになっており、財政を圧迫しているからだ、という指摘されています。
 
ともあれ、この不況下で職を失い、生活保護に頼る、という人が今後増えることも想定され、財政圧迫が懸念されますが、ことは生存権に関わる問題です。「水際作戦」のようなことが藤沢市では行われていない、とは思いますが、いくつか確認したいと思います。

まず、生活福祉についての現状認識と、「不正受給」「水際作戦」といった課題について、お聞きします。 

次に、「保障と自立」が制度の精神であり、それに基づいて、自立支援プログラムが導入されたと聞いていますが、本市のとり組みについて、お聞きします。

件名5は以上です。

件名6.教育について

新年度の教育予算については、奨学金の大幅な増額、校舎の耐震化、学校給食の単独調理校化の推進などは、実態をふまえた施策として、高く評価いたします。
また、特別支援学校と小・中学校教員の人事交流は、白浜養護を擁する藤沢市ならではの施策として、特筆するものです。是非、「共に学ぶ」教育の推進に取り組んでいただきたいと思います。
 
しかしながら、新入生サポート事業の継続は評価できるものの、全国的に見れば、独自に30人以下学級を実施している自治体も少なくありません。藤沢市は、必ずしも先進的とはいえないのが現状です。

昨年11月の「サンデー毎日」に掲載された記事では、首都圏の自治体の教育予算を調査した結果、藤沢市は「小学校の教員一人あたり児童数」で、ワースト3,「中学生一人あたりの教育予算」でもワースト10という結果でした。 

これは、全国的には少子化が進む中、藤沢は例外的に児童・生徒数の増加が続いており、「平均値」をとると、このような数値になってしまいます。その点は考慮しなければなりません。
とはいえ、やはり、少人数学級を実施していたり、学校図書が充実していたりと、独自の施策を取り入れている自治体が上位にランクされているのです。

来年度の教育予算案は、小・中の校長会からの要望書にあげられている、現場要望とは少々ずれがあると思われます。
たとえば、県下一のマンモス校となってしまった六会小学校の教育環境をどのように改善するのか。そして、藤沢の学校には、言語も文化も異なる、13カ国に及ぶ多様な外国籍の子供たちが通っていますが、この子たちの教育をどうするのか。
 
また、就学援助を受ける子供は全体の約16%と、県下で第3位となっており、在校生の1/3が就学援助を受けているという小学校まであらわれました。格差は子供たちにも影を落としているのですが、その対応策はどうか。

こうした現実を踏まえた、まさに現場主義にたった教育施策が求められているのではないでしょうか。
 
そこで、質問ですが、

1.いじめ・不登校
2.学力・学習意欲
3.外国籍の児童生徒
4.教育扶助・準要保護世帯

について、現状認識と、対応について、お聞きします。

海老根市長の「現場主義」の姿勢には、大いに期待するものです。
その意味で、「市長と教育委員会との連携」とは、けっして一方向の、トップダウンを意味するものではないと思いますが、あらためて、市長と教育委員会の連携について、市長のお考えをお聞きします。

(代表質問終わり)
| 17:39 | 議会(本会議) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
代表質問その4
件名3.建設行政について
要旨1.都市計画について

2点、質問いたします。
 
6年前、私が市議会議員に選んでいただいてから、この間、市内のどこかでマンション建設などの反対運動が起こっていた、という実感があります。
しかし、事業者は都市計画法など、法に則って計画を立てている訳ですから、一歩も譲らないわけです。
そのとき、住民の皆さんは口々にこう言います。
「市は、何にもしない」「住民ではなくて業者よりだ」。
しかしながら、何もしない、のではなく、適法な建物を、住民が反対している、という理由で建てさせないという権限は市にはないことは皆さんご存じの通りです。

こうして、市民の中に行政に対する不満が蓄積されていくことになります。
市行政にしてみると、「ここは高い建物が建つところだ、と知っていて住んでいるはずです」
といった心境かもしれません。あるいは、知らない、とすれば、それはそれで問題だ、と。
不幸な構図だとしか言いようがありませんが、ともあれ、マンション建設の反対運動は、一つの特徴があると思います。
それは、2階建てを中心とした戸建てが多い地域に、マンションの事業予告版が立つと近隣住民が反対の声を上げる、というものです。
まわりは戸建てばかりなのに、広い空き地ができると、そこだけマンションが建つ、というのは、たしかに近隣の方の違和感は相当なものだと思います。
用途地域の境目、たとえば住居系地域と商業系地域の接するところ、低層系と中高層系の接するところ、などで問題化しているケースが多いのではないでしょうか。

こういう話を持ち出すと、結局は、地域住民の合意のもとで、住民自らが設定する「地区計画制度」を使おう、ということになるのですが、私は住民合意は現実にはかなりハードルが高い、と思います。
行政による、建物の高さ規制については、用途地域のほか、日影規制などがありますが、私はこうした住民の反対運動をみるにつけ、さらなる規制が必要なのではないか、と感じます。
冒頭で、権力は抑制的であるべきだ、と申し上げましたが、何も駅前の商業地や都心部で建物の高さを5階建て以下に規制せよ、といった話ではなく、既存の住居の多くが低層であるところ、などを想定した話ですので、私は必ずしも行き過ぎだとは思いません。それに、人口が減少局面となる中、旺盛な住宅需要が再び起こる、とは考えにくい時勢です。
藤沢市においても、高度規制を導入する時にきている、と考えます。

そこで、質問します。

高度地区の設定など、建築物の高さ規制について、市側の考えをお聞きします。

質問2点目は、計画道路について
計画道路に関して、特に市内南部においては、道路予定地、またその周辺は多くの家屋が建ち並んでおり、ほとんど事業が進んでいない状況です。南部地域は、道路混雑が激しく、また鉄道と道路との立体化も進んでおらず、さらに藤沢駅周辺は通過交通と駅目的交通が入り交じり、道路渋滞が慢性化しています。
 また、狭隘道路が多い南部では、災害時・緊急時に鑑みても計画道路の必要性は高いものの、なんと言っても用地取得という大きな壁が立ちはだかっています。

しかし、住宅が建ち並んでいるといっても、その所有者が手放すこともあるわけで、実際に相続などで所有者が手放す際に、市が取得したこともあったと聞いています。その事例は、道路用地がマンション用地に売られけれど、市が交渉し、取得した、ということでした。
この時は、首尾よく道路用地を確保できたわけですが、もしマンションが建っていたら道路建設は相当な後退を余儀なくされていたことでしょう。

そこで質問です。

このように、計画道路予定地にマンション建設が計画されているケースが見られますが、建物が建ってしまうと、道路建設は相当困難になるでしょう。必要な道路ならば、手遅れにならないうちに取得するための、何らかの方針が必要だと思いますが、そのような場合の対応について、お聞きします。

件名3は以上です。


件名4.環境行政について
要旨1.環境保全について

質問1.ごみの資源化促進について
ごみ有料化は市民の間にも定着したと感じます。有料化がごみの減量にも効果をあげているということで、反対意見も少なくない中で賛成した身としては安堵しているところです。
私は、有料化導入前の本市のごみ行政がうまく機能していない、どころか市民協働で一定の成果・評価を得ている時に、あえて有料化に踏み切るのなら、それこそ日本一のごみ行政・環境自治体をめざす、くらいの気構えが欲しい、と注文をつけさせていただきました。
ごみ処理の究極の目標はごみゼロ、つまり可燃ごみの資源化です。
可燃には、資源化が可能な紙がまだまだ混入していますし、生ゴミは堆肥化やガス化が考えらますが、市民意識と行政の収集体制次第では燃やすゴミは限りなくゼロに近づいていくことでしょう。
 
可燃は自治体と、その住民の意識・とり組みで減量をめざすわけですが、資源にかんしては製造者の責任が十分に果たされているとは言えないのではないでしょうか。
私は、容器などは、自治体回収よりもデポジット、前払い制度にして、製品価格に転嫁した方が、はるかに低コストで確実に回収できると思います。
現在のように自治体回収ですと、結局は可燃ごみの収集が一番多いですから、そこに容器などが混入するのは避けられないと思います。容器包装リサイクル法は、自治体の負担と製造者の負担が公平かと言えば、疑問があります。

確かに、循環型社会形成推進基本法の制定により、家電リサイクル法、食品リサイクル法、建設リサイクル法、自動車リサイクル法など、生産者責任が制度化されてきていますが、十分とは言えない現状ではないでしょうか。
自治体の全国組織など、機会を捉えて国や業界に訴えいく必要があると考えます。

そこで、3点、質問します。
1点目
焼却ごみ削減のためには、資源化の促進ということになりますが、現在計画中のリサイクルセンター整備の進捗状況と事業内容について、お聞きします。

2点目
次に、資源化促進は、家庭が出しやすい環境をつくることが重要だと考えますが、以前から申し上げていますが、資源の戸別収集の導入など、具体策について、お聞きします。併せて、生ごみの減量化、資源化施策について、お聞きします。

3点目
製品の処理に関し、自治体としてのとり組みに限界がある中、生産者責任を果たすよう国や関係機関に働きかけることが必要だと考えます。市のとり組みについて、お聞きします。

件名4は、以上です。
(続く)
| 17:22 | 議会(本会議) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 柳田ひでのり |
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